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歯周病があっても部分矯正はできる?インビザラインGOを始める前に知っておきたい順番と注意点

2026年11月6日

執筆・監修:本町歯科診療所 院長 澁谷 由之

「若いころはきれいだった前歯に、最近すき間ができてきた」
「歯周病があると言われたけれど、歯並びも整えたい。矯正はもう無理なのだろうか」

40代・50代の方から、このようなご相談をいただくことがあります。

実は、大人になってから前歯が開いてきたり、前に出てきたりする背景には、歯周病が関わっている場合があります。そして歯周病があっても、歯ぐきの炎症をコントロールしながら適切な順番で進めれば、部分矯正を検討できるケースがあります。

一方で、歯周病が進んだまま歯を動かすと、歯を支える骨や歯ぐきに負担がかかるおそれもあります。本記事では、歯周病と前歯の部分矯正「インビザラインGO」の関係、治療の進め方、知っておきたい注意点を、歯周病治療と矯正治療の両方を行う総合歯科の立場から、院長の澁谷が解説します。

🌟 歯周病があって矯正をあきらめている方も、まずはご相談ください

歯ぐきと骨の状態を検査したうえで、矯正を検討できるかどうかをご説明します。

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1. 「歯周病があると矯正できない」は本当?

「歯周病があるから矯正は難しい」と聞いて、歯並びの改善をあきらめている方もいらっしゃるかもしれません。結論からお伝えすると、歯周病がある=矯正ができない、というわけではありません。

大切なのは「歯ぐきの炎症がコントロールできているか」

矯正治療では歯に力をかけて動かします。歯ぐきに強い炎症がある状態で歯を動かすと、歯を支える骨が減るスピードを早めてしまうおそれがあります。そのため、炎症をきちんと管理しながら進められるかどうかが、矯正を検討できるかの大きなポイントになります。

歯を支える骨の量によって判断が変わる

歯周病で失われた骨の量や、歯の揺れの程度によっては、矯正よりもほかの治療を優先したほうがよい場合もあります。矯正を検討できるかどうかは、歯周ポケット検査やレントゲン・CTで骨の状態を確認したうえで判断します。

2. 大人になって前歯にすき間が出てきた理由

「昔はなかったすき間が、ここ数年で広がってきた」「前歯が少しずつ前に出てきた気がする」。こうした変化には、いくつかの原因が考えられます。

歯を支える骨が減ると、前歯が動きやすくなる

歯周病が進むと、歯を支えている骨(歯槽骨)が少しずつ減っていきます。支えが弱くなった歯は、噛む力や舌・唇の力に押されて位置が変わりやすくなります。特に前歯は根が細く、外側に押し出される力を受けやすいため、すき間が広がったり、扇状に開いたりすることがあります。

噛み合わせや癖が影響することも

奥歯を失ったままにしている、歯ぎしりや食いしばりがある、舌で前歯を押す癖がある、といった要因が重なると、前歯に負担が集中する場合があります。

💡 ポイント:大人になってから前歯の位置が変わってきた場合、見た目だけの問題と考えず、まず歯周病の検査を受けることをおすすめします。原因によって、適した治療の順番が変わります。

3. 歯周病のまま歯を動かすリスク

歯周病の状態を確認しないまま矯正を始めると、次のようなリスクが高まる場合があります。

  • 骨が減る進行が早まる:炎症のある歯ぐきの中で歯を動かすと、歯を支える骨が失われやすくなると考えられています。
  • 歯ぐきが下がる(歯肉退縮):歯ぐきが下がると、歯が長く見えたり、根元がしみやすくなったりする場合があります。
  • 歯の揺れが大きくなる:支えの少ない歯に力がかかることで、揺れが強くなる場合があります。

こうしたリスクを避けるためにも、歯周病がある方の矯正は、歯周病の管理と矯正をセットで考えることが欠かせません。

🌟 前歯のすき間が気になってきたら、まずは歯ぐきの検査を

歯周病の状態を確認し、歯並びの変化の原因をご説明します。

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4. 歯周病がある方の部分矯正の進め方

歯周病がある方の治療の進め方は、お一人おひとりの歯ぐきや骨の状態によって異なります。歯周病の治療を先に行い、状態が落ち着いてから矯正を始める場合もあれば、歯周病の管理を続けながら矯正を進める場合もあります。いずれの場合も、歯ぐきの炎症をコントロールしながら進めることが前提です。

段階 主な内容
① 検査・診断 歯周ポケット検査、レントゲン・CTで骨の状態を確認。生活習慣もお伺いします。
② 歯周病の治療・管理 歯石・プラークの除去、歯みがき指導など。必要に応じて歯周外科治療を行います。
③ 矯正の計画 歯ぐきの状態を確認しながら、iTeroのシミュレーションで動かし方と治療後のイメージを共有します。
④ 部分矯正 マウスピースを段階的に交換。通院時に歯の動きと歯ぐきの状態をあわせてチェックします。
⑤ 保定・定期管理 リテーナーで歯並びを安定させ、歯周病の定期管理を続けます。

歯周病の検査や治療は、原則として健康保険の範囲で行います。インビザラインGOによる矯正治療は自由診療です。

⚠️ 自由診療についてのご案内(インビザラインGO)

【費用】自由診療(保険適用外)です。費用は歯並びの状態や治療範囲によって異なるため、精密検査の後、治療開始前に総額をご説明します。

【期間・回数】矯正の期間は数か月〜半年程度が目安です。歯周病の治療期間や保定期間は別に必要となり、歯ぐきの状態によっては期間が延びる場合があります。通院は1〜2か月に1回程度です。いずれも症例により異なります。

【主なリスク・副作用】装着初期の痛みや違和感、一時的な話しにくさ、ディスキング後のしみる症状、歯根吸収や歯肉退縮、ブラックトライアングルが生じる場合があります。1日20時間以上の装着が守られないと計画どおりに歯が動かないことがあり、保定を怠ると後戻りする場合があります。歯周病の状態によっては適応外となる場合があります。

5. 歯周病の方がマウスピース矯正を検討しやすい理由

歯周病がある方の矯正では、治療中も歯ぐきを清潔に保てるかが重要です。その点で、インビザラインGOのようなマウスピース型の矯正装置には、次のような特徴があります。

外して歯みがきができる

ワイヤー矯正は装置が歯に固定されるため、装置の周りに汚れがたまりやすくなります。マウスピースは食事や歯みがきのときに外せるため、歯間ブラシやフロスを使ったセルフケアを普段どおり続けやすく、歯ぐきの管理と両立しやすいと考えられています。

少しずつ段階的に動かす

マウスピースを一定期間ごとに交換し、計画に沿って少しずつ歯を動かしていきます。歯周病がある方の場合、歯ぐきや骨の状態に合わせて、動かし方を慎重に計画することが大切です。

動かす範囲を前歯まわりに限定できる

インビザラインGOは、前歯から前から5番目の歯までを対象とした部分矯正です。奥歯まで動かす全体矯正に比べ、動かす歯の本数を抑えられる点も、歯ぐきへの負担を考えるうえでの特徴のひとつです。

適応外となるケースもあります

歯の揺れが大きい場合や、骨の減り方が大きい場合、奥歯を含む噛み合わせ全体に問題がある場合などは、インビザラインGOの適応外となることがあります。その場合は、ほかの治療法も含めてご提案します。

👉 関連記事:前歯の部分矯正「インビザラインGO」導入のお知らせ(インビザラインGOの基本的な特徴はこちら)

🌟 インビザラインGOが合うかどうか、検査で確認できます

歯周病の状態と歯並びをあわせて診断し、治療の選択肢をご説明します。

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6. 知っておきたい「ブラックトライアングル」と歯ぐきの下がり

ブラックトライアングルとは

歯並びを整えた後、歯と歯の間の歯ぐきに近い部分に、黒い三角形のすき間が見えることがあります。これを「ブラックトライアングル」と呼びます。歯周病で歯と歯の間の歯ぐきや骨が下がっている方は、重なっていた歯がまっすぐ並ぶことで、このすき間が目立つようになる場合があります。

ディスキングで目立ちにくくする場合も

当院では、インビザラインGOの治療で必要に応じてディスキングを行います。ディスキングとは、歯と歯の間のエナメル質をごくわずかに削り、歯を並べるすき間をつくる処置です。歯の接する面の形を整えることで、ブラックトライアングルを目立ちにくくできる場合があります。ただし、すべてのケースで解消できるわけではありません。

下がった歯ぐきは戻りにくい

一度下がった歯ぐきは、自然に元の高さまで戻ることは期待しにくいと考えられています。だからこそ、矯正を始める前に歯周病の進行を抑え、治療中も歯ぐきを守ることが大切です。治療後の見た目について、事前にできるだけ具体的にご説明するようにしています。

7. 保定(後戻りを防ぐ期間)が特に大切な理由

矯正で歯を動かした後は、歯並びを安定させるために「リテーナー(保定装置)」を使う期間が必要です。歯周病で支えの骨が少なくなっている歯は、動かした後に元の位置へ戻ろうとする力の影響を受けやすいと考えられています。

リテーナーは状態に合わせて選びます

リテーナーには、ご自身で取り外すタイプと、歯の裏側に細いワイヤーを固定するタイプなどがあります。どのタイプを使うかは、歯ぐきや骨の状態、歯の揺れの程度に合わせて判断します。

保定期間も歯周病の管理を続ける

歯並びが整った後も、歯周病の管理を続けることが歯並びの安定につながります。定期的なチェックとクリーニングで、歯ぐきと歯並びの両方を見守っていきます。

8. 本町歯科診療所の「歯周病×部分矯正」

当院は、歯周病治療と矯正治療の両方を行う総合歯科医院です。歯周病がある方の部分矯正では、次のような体制で診療を進めています。

CTと歯周ポケット検査で骨の状態を確認

歯周ポケット検査や生活習慣の問診に加え、CTで歯や顎の骨を立体的に撮影し、歯周病の進行度合いを把握します。矯正を検討できるかどうかを判断するうえでの大切な情報になります。

歯周外科治療にも院内で対応

歯石やプラークの除去などの基本的な治療で改善が難しい場合には、歯ぐきを開いて奥深くの歯石を取り除く「FOP(歯肉剥離掻爬手術)」や、奥歯の根の分かれ目を清掃しやすくする「ルートセパレーション」などの歯周外科治療を行います。歯周病の治療から矯正まで、同じ医院で一貫して相談できるのが総合歯科の特徴です。

歯科衛生士担当制で、矯正中も歯ぐきを継続管理

当院では、患者さんごとに専任の歯科衛生士がつく担当制を設けています。矯正中も同じ歯科衛生士が歯ぐきの変化を継続して確認し、歯科医師と連携しながらケアを行います。院内で使用する水には殺菌水を用い、感染予防にも取り組んでいます。

iTeroのシミュレーションと、納得いただくまでの説明

3Dスキャナー「iTero(アイテロ)」で、歯がどのように動いていくかを治療前に確認できます。シミュレーションは計画上のイメージであり、実際の仕上がりには個人差があります。当院は、患者さんが十分に理解し納得されるまで説明を繰り返し、納得されないまま治療を進めることはしません。

また当院は、厚生労働省が定める施設基準「口腔管理体制強化加算(口管強)」の届出を行っている歯科医院です。

👉 関連ページ:歯周病治療/大人の矯正治療/当院が選ばれる4つの理由

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久喜駅西口から徒歩10分・駐車場8台分完備。土曜日も診療しています。

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9. 治療中・治療後のセルフケアのポイント

歯周病がある方の矯正では、歯科医院でのケアと同じくらい、ご自宅でのセルフケアが大切です。

  • マウスピースを戻す前に歯をみがく:食後に汚れが残ったままマウスピースを装着すると、歯ぐきに汚れが触れ続けることになります。
  • マウスピースも毎日洗う:やわらかい歯ブラシで水洗いし、熱湯は変形の原因になるため避けてください。
  • 歯間ブラシやフロスを使う:歯と歯の間は歯周病が進みやすい場所です。サイズや使い方は担当の歯科衛生士がお伝えします。
  • 生活習慣を見直す:喫煙や間食の多さ、睡眠不足は歯ぐきの状態に影響する場合があります。当院では管理栄養士による栄養指導も行っています。

「どこまでできていれば大丈夫か」は、お一人おひとり異なります。通院のたびに歯ぐきの状態を一緒に確認しながら、無理なく続けられる方法をご提案します。

10. よくあるご質問

Q1. 歯が少しぐらついていても、矯正はできますか?
A. 揺れの程度や原因によって異なります。歯周病の治療で歯ぐきの状態が落ち着くと、揺れが小さくなる場合もあります。検査で骨の状態を確認したうえで、矯正を検討できるかをご説明します。

Q2. 50代・60代でも部分矯正はできますか?
A. 年齢だけで矯正ができないということはありません。判断の基準になるのは、年齢よりも歯ぐきや骨の状態です。ご年齢にかかわらず、まずは検査を受けていただくことをおすすめします。

Q3. 歯周病の治療は保険でできますか?
A. 歯周病の検査や治療は、原則として健康保険の範囲で行います。インビザラインGOによる矯正治療は自由診療となりますので、費用は治療開始前に総額と内訳をご説明します。

Q4. 歯周病の治療が終わるまで、矯正は始められませんか?
A. 歯ぐきや骨の状態によって異なります。歯周病の治療を先に行ってから矯正を始める場合もあれば、歯周病の管理を続けながら矯正を進める場合もあります。検査結果をもとに、適した進め方をご提案します。

Q5. 矯正後、ブラックトライアングルは必ずできますか?
A. 必ずできるわけではありませんが、歯と歯の間の歯ぐきが下がっている方は生じやすい傾向があります。ディスキングで目立ちにくくできる場合もありますので、治療前のシミュレーションの段階でご説明します。

🌟 「自分の場合はどうなの?」にお答えします

歯ぐきの状態と歯並びの両方を拝見し、検査結果をもとにご説明します。

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11. まとめ

歯周病があっても、歯ぐきの炎症をコントロールしながら適切な順番で進めれば、部分矯正を検討できるケースがあります。大人になってから前歯にすき間が出てきた場合は、見た目だけでなく、歯周病が関わっていないかを確認することが大切です。

インビザラインGOは、取り外して歯みがきができ、動かす範囲を前歯まわりに限定できる部分矯正です。一方で、ブラックトライアングルや歯ぐきの下がり、保定の重要性など、歯周病がある方だからこそ知っておきたい注意点もあります。

本町歯科診療所では、歯周病の検査・治療から矯正、その後の定期管理まで、同じ医院で一貫してご相談いただけます。「歯周病だから」とあきらめる前に、まずはお気軽にご相談ください。

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本町歯科診療所
〒346-0005 埼玉県久喜市本町2-1-43
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歯周病治療の詳細は歯周病治療のページもご覧ください。

12. 医院情報・アクセス

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13. 執筆者紹介

― この記事の執筆・監修 ―

澁谷 由之(しぶや よしゆき)

本町歯科診療所 院長/歯科医師

私は、患者さんと丁寧にコミュニケーションを取ることを何より大切にしています。どれだけ精密な検査をしても、患者さんがどんな生活を送り、どんな場面で困っているのかは、お話を伺わなければわからないからです。

歯周病があると、「もう歯並びを整えるのは無理だ」とあきらめてしまう方もいらっしゃいます。けれども、歯ぐきの状態をしっかり把握し、歯科衛生士と連携しながら進めれば、選べる道が見つかることもあります。歯周病の治療と矯正の両方を行う医院として、ご自身の歯を長く守りながら歯並びの悩みにも向き合えるよう、お手伝いしたいと考えています。

「前歯のすき間が広がってきた」「歯周病があるけれど矯正できるのか知りたい」という方は、どうぞお気軽にご相談ください。検査結果をもとに、治療の進め方とそれぞれの注意点を、納得いただけるまでご説明します。

【経歴】

  • 2007年 松本歯科大学卒業
  • 2008年 日本歯科大学臨床研修医修了
  • 2008年 医療法人歯健長壽会 金子歯科診療所 勤務
  • 2011年 金子歯科診療所 副院長就任
  • 2014年 本町歯科診療所 院長就任
  • 2015年 本町歯科診療所を継承

【所属学会】

  • 老年歯科学会
  • 摂食嚥下リハビリテーション学会


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